和奏がやっと振り返って上目遣いで


「ダメ」


おい、そんな技つかっていいと思ってる?

ヤバいな


前に向き直る瞬間サラサラの黒髪が扇状に広がる


ほのかに香るシャンプーなのか、和奏の匂いなのか俺を刺激する

衝動的に人目もはばからず抱きしめたくなる


ダメだってわかっていても、鈴村の谷間よりも誘われる



無自覚でやってんなら…いや、和奏にとっては普段通りなんだろうけど…


それはそれで、心配なんだよな


抱きしめることは出来ないから、サラサラの黒髪に手を伸ばし一房引き寄せてキスをした


「いけず」