side.aoi


その生徒はいつだって俺に無関心だった


他の女子生徒は俺が廊下に現れる度に、キャーキャー言ってうるさいくらいなのに


その生徒は違ってた


いつも本を読んでいるだけなのに

俺はその生徒が気になってしょうがなかった


「無自覚キュート」と影で呼ばれてることも知らないだろう、けど


そのあだ名の通り可愛いし、無駄にベラベラしゃべらないところも魅力的なところ


だからその生徒は男子生徒から熱いまなざしを受けているが、「無自覚」なだけにそれに気づかない


気になってしょうがなかった


だけの存在だった



この時までは