君の隣で ーセンセイとアタシー



駅から学校まで終始麻実ちゃんはぽかーんっと葵衣さんを見ていた


葵衣さんはそんな視線を微塵も感じていない様子で歩き続けていた

間に挟まれたあたしは葵衣さんの早歩きについて行くしかなかった


学校に近づけば近づくほど、みんなの視線が身体中に刺さっていくようでいたたまれなかった

だから教室で自分の席についた途端に



「ねぇねぇ?何時の電車?」

「王子はどこから乗ってきたの?」

「なんか機嫌よくなかった?」


とかの質問責めにあった

もちろん葵衣さんと並んで(麻実ちゃんもいる状態で)登校すればこんな風になるってわかっていたから、いつもは電車を降りれば離れていた