電車がカーブで揺れる度に俺は踏ん張って和奏を守った

混んでいても同じ高校の制服は見えない


もちろん鈴村もいない

それをいいことに俺は…


「和奏」

「はい?」


俯いていた和奏が俺の声に反応して顔を上げた


ちぅ


「!!なっ?!」


和奏の額に唇で触れた


和奏は一瞬目を泳がせて周りを見た

そして周りに知り合いや同じ高校の制服がいないと、俺を上目遣いで見上げてくる


「いっ…いきなり…」


口を尖らせてはいるものの顔は真っ赤

全然怖くない

むしろ何度もキスしたくなる