葵衣さんは、まだあたしの肩に顎を乗せて、後ろから意地悪な声でそう囁いた


「し、してません!」

「そう?でも危ないなぁ~」


そう言ってあたしの手からフライパンを抜き取ると、新しいベーコンと卵を焼きはじめた


「今日の和奏は危ないから、俺が弁当作る」


と爽やかな笑顔とともにほっぺに「ちゅっ」とキスをされた


「っ!」


あたしは思わず身を引いて、キスされたほっぺに手を当てて声にならない声を出していた


「っ、あ……ぁ…」

「ほら、和奏も時間ないんだから支度して?」


と、目で時計を指した葵衣さん


「えっ!わぁっ!?」