「すきっ…先生が好き」
何度も何度も「好き」と繰り返した
先生はその度にぎゅうぅと抱きしめてくれて、「俺も」と言ってくれた
嬉しすぎて涙が止まらなかった
「ぅぅっ…っつ…せんせぇ」
「葵衣」
「ふぇ?…っく」
「先生じゃない、葵衣って言って?」
先生はまたあたしの涙を吸いながら優しい笑顔で言ってきた
「で、でも…」
「俺だって2人っきりの時ぐらい葵衣って読んでほしい、ダメ?」
そう言う時の表情はまるで、子供が親におもちゃを強請るときに似ていた
あたしはそれに逆らえなかったし、逆らう気もなかった
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