side.wakana


お父さんの背中からコソッと相手の顔を覗いた


ぇっ…

あの?



あたしはその顔を見るなりまたすぐにお父さんの背中に隠れた


「んっ?和奏、ご挨拶は?如月さんを忘れたかい?」



そう言うとお父さんはあたしの背中を押して


「自慢の娘の和奏です」



あたしに3人の視線が注がれた


あたしは恥ずかしくて顔が上げられなかった


のは、その相手


が…


「ふ、藤咲和奏?」


「ん?葵衣くんも知っていたのか?」


「い、いえ…」



その声はあたしと同じように目の前の人物が信じられない、驚いた声だった