「……いちご…」 私の耳には、そう聞こえた。 ゆっくりと、後ろを向くと ――あぁ、やっぱり… そこには未琉紅がいた。 「……久しぶり」 「はぁ…は、久しぶり…はぁ…はぁ」 未琉紅はずいぶんと息を切らしてる。 走って来たんだな。 「どうしてここに?」 未琉紅は、深呼吸を一回して、真剣な顔でこっちを見た。 「苺に会いに来た」 「っ……!」 そんなこと言うのは… ズルい……。