よく思う筈がない。 だって広先輩は、沙希の彼氏だから。 …なんて。 馬鹿みてぇな事、言ってるな。 俺。 「じゃあ、とりあえず今日は活動見てってよ。まあ、走りたきゃ走ってもいいけど」 広先輩は笑って走り去った。 「ごめんね。広、適当で」 沙希は彼女として言う。 「じゃあ、あたし用具の整理あるから」 沙希は去ってしまった。