ーーーカチャリ


控えめな鍵を回す音がして愛しい足音が聞こえてくる。

もうとっくに目は覚めてるが狸寝入りを続ける。


バタバタと部屋を片す音が聞こえる。
しばらくして音が止むと今度はこっそりとこの部屋に近づく愛しい足音。


微かな音をたてて扉が開いて息を殺して君が近づく。


フワリ

甘い薫りがして、君が俺の顔を見つめる。


俺は、ただ、待つ。
言葉にできない君の、精一杯の柔らかなキスを。