私は一瞬、柚の第二打が実春の後頭部めがけて打ち込まれたのかと思った。

しかし、そうじゃなかった。



実春は一目散に教室を出ていった、その直後…


先ほど柚に叩かれた時と同じような音が教室中に響き渡った。


「痛ェ〜ッ!!」


またしても実春の悲痛の叫びが聞こえた。


え…?


「どうしたの…かな…?」


何が起きているのか、いまいち私には伝わって来ない。少し心配になりながら呟いた。


「そんなの決まってんでしょ」


けれど柚は、既に理解しているようだった。


「え…?決まってる、って…」


「IQ200の男よ。」


柚はニヤリと笑って私を見返した。