「さっき、千春くんといたでしょ!?」 体育の帰り、柚は直ぐさま私の元へやって来て言った。 「ああ、私が風邪ひいたことに責任感じて心配になって来てくれたんじゃないの?」 私がそう言うと柚はわざとらしく大きくため息をついた。 そして苦笑しながら言う。 「そういうわけじゃないって」 「どういうこと?」 「それは……言えないな」 と、柚は不気味に笑った。