君のそばに

対して会話が弾まない…。

どうしよう…。



何の為に嘉賀くんはここに来たんだろう。



私は嘉賀くんを横目でチラッと見た。

嘉賀くんは何食わぬ表情で、バトンパスの練習をしている生徒たちを見つめている。



折角隣に座ったんだから何か話して欲しいけど…。

でもこのままじゃ何か気まずいしな〜…

とりあえず私が何か話さなくちゃ。




私は軽くため息をついて嘉賀くんがいる右側に首を向けた。



「ねえ、自習になったんだったら教室で勉強していなくちゃいけないんじゃないの?」



私がそう声をかけると、嘉賀くんはバトン練習から目を離して私を見た。



「ん…本当はな。

…でも伍棟が一人座ってるのが見えたから…」




「え…?」