そして、母は仕度を済ませたようで、私を残したままリビングを後にした。 しかしその直前に歩く足を止め、母はこう言った。 「まぁ、風邪をひいているようだから無理しないで今日は車を使いなさい。 いいわね?」 それだけ言うと、 車の用意をして!遅れちゃう と言って玄関のドアを開ける音がした。 私には思ってもいなかった言葉で心の奥底から沸々と嬉しさが込み上げてくるのが分かった。 何だかんだ言いながら、やっぱり母親なんだなと実感し 私は最後の一口を何とか飲み込んだ。