君のそばに


…ここまで柚の姿を見てきたわけだが、

明らかに S だということがわかる(笑)





「へ〜、へほぉ、ひゃくにひょはいへんのひはるほ、ふふぁひっひひのほうふぁ、あふなひんひゃひゃい?


(え〜、でもぉ、逆に初対面の千春と、二人っきりの方が、危ないんじゃない?)」



柚に引っ張られたまま口を動かしているせいか、
何を言ってるか、いまいち伝わらない。



柚はその手を離し、
実春の腕を掴むと、雨の中をズンズンと歩いて行く。



「あんたと二人っきりよりはマシよ!

それに私一人にさせるわけ?


さ、帰るわよ!
千春くん、その娘の事頼んだよ〜!」



「ちょちょ、ちょっと濡れてるってば!
…傘くらいささせて!
てか、痛いわ!腕!ほっぺも!」



赤くなるほっぺを摩りながら実春は柚に歩調を合わせようと必死に歩く。



そして2人はギャアギャア騒ぎながら雨の中に消えて行った