君のそばに



「じゃあ…」



今まであまり話に加わらなかった嘉賀くんが口を開いた。






「オレの傘に入ってけば?」




は!?何だって!?傘!!?



私はびっくりして嘉賀くんを見つめた。
嘉賀くん自身は大して気にならない様子で、私の返事を待っている。



…まさか、嘉賀くんからそういう言葉が聞けるなんて思ってもいなかった。

実春なら普通に言いそうだけど…。




今まで私は、付き合うという行為をした事がなかったせいか、

相合い傘なるものはカップルがするもの!!

と、考えていた。(←古い)



そして、私の様子を伺っていた柚が呆れたようにため息をつく。


「てか、沙矢。
別に今からラブホ行こう、って言ってるわけじゃないんだし。
素直に甘えればいいじゃん。」



柚は恥じらいもなくサラリと爆弾発言を言った。




ラ、ラブホ……!!?
はぁ〜〜ッ!?



その言葉に私の顔は瞬時に茹で上がったばかりのタコみたいに真っ赤になってしまった。