君のそばに

「てめぇら〜…キモイ言うな!
柚は2回言うな!!」


実春は自分の鞄をバシバシ叩きながら怒鳴った。

その音が誰もいない図書館に響き渡る。


私はそんな3人を見て可笑しくなってしまい、声を上げて笑ってしまった。


「アハハハハ!」



私が突然笑いだした事に驚いた3人は顔を見合わせた。

その顔は理解不能、と表現している。



「な〜に笑ってんの!あんたの事話してんのに!」


柚は私の頭をクシャクシャと撫で付けた。


「ごめんごめん、アハハ!」


私は柚にグチャグチャにされた髪を手櫛でとかした。

が、もつれにもつれて中々直らない。


これは予想外の展開だ…。



「…ゆ〜ず〜……」


私は前髪の隙間から柚を睨みつけた。



どーしてくれるんだ、柚サン…!


柚は苦笑いを浮かべながら頭を掻いた。



それから、私の髪も何とかなり

4人はやっと昇降口へと向かい始めた。