部活を終え、柚といつも待ち合わせをしている図書室に向かった。
図書室は生徒会室の目の前にある階段を降りて、すぐだ。
すぐ、というより、そこのフロア全てが図書室になっている。
なので、[図書室]というよりは[図書館]という方が正しい気もする。
急いで階段を下り、左側にある百科事典スペースに行くと、
そこにはもう柚の姿があった。
「柚ー!お待たせー!」
そう声をかけ、走り寄ると
そこには嘉賀兄弟の姿もあった。
「おぃーっす!お疲れさーん」
そう、声をかけ来たのは実春だった。
「あれ?実春、こんな時間まで何してんの?」
嘉賀兄弟を交互に見ながら言った。
「あーんた、本当抜けてんのね〜!」
次に口を開いたのは柚だ。
「2人は生徒会役員!
ポヤ〜っとしてると、そのうち置いていかれるわよ!」
「何に…?」
「時代。」
時代…??
何言ってんの、柚さん…(笑)
「ま、そこがお前の可愛い所だよ!」
実春が白い歯を見せながら言った。
すると、それに対抗するように柚が口を開いた。
「確かに可愛くはあるけど、あんたが言うと、キモイ!
はっきり言ってキモイ!!」
柚はわざと、汚いものを見るような目付きで言った。
それに便乗して嘉賀くんも頷きながら
「同感だな」
そう言った。


