「勉強がなんですか!
【勉強が出来なくたって】、先輩には私たちにはない素晴らしい才能を持っているじゃないですか!!」
皐月は息を荒げながら言った。
勉強が出来なくたって……。
私の中で異様にその言葉がコダマした。
フォローしてくれてるのだろうけど、皐月自身気付いていない言葉のナイフはしっかりと私に突き刺さっていた。
「う…ん。ちょっと、あまり人の傷をえぐるような言い方はやめようね…皐月。自分でも十分、分かってるから…。」
相当なダメージを受けながらも出した私の声は皐月には聞こえていないのか、皐月は熱弁を続けた。
「先輩の絵が何人も人の心を癒してるんです!!
だから大丈夫なんです!!」
何が大丈夫なのかは解らないが、
私は皐月の言葉に嘉賀くんの事を思い出した。
そういえば、嘉賀くんも私の絵を見た、って言ってたな〜。
まぁ、そう思うのも悪くないのかもね…。
私の絵が良い意味で、人に影響を与えてると思ったら心が温かくなった。


