君のそばに


4位かぁ…

私の本当の順位からしたら、夢のまた夢のそのまた夢のような話であったけど、

あえて訂正したくなかった。


良かった…。皐月が勘違いしてくれて…。



私が安心したのもつかの間、彼の瞳がそれを見逃してはくれなかった……。



「う〜ん、正しく言うとね津野さん。

174位だよ」



!!!?



「何で、先輩が知ってるんですかぁーッ!!?」



私は驚いて、部長を見つめた。

部長は楽しそうにニコニコしながら見つめ返してきた。



く…ッ部長には勝てない…。

部長に勝負を挑んだものの、呆気なく私は負けてしまった。


そして私は部長から逃げるように目をそらし、今度は皐月の方に視線をずらした。



皐月はというと

ショックのあまり放心状態に陥っていた…。



ちょっと失礼なんですけど!
誰が一番ショックを受けてると思う!?


私は皐月の中で自分のイメージが壊れたんだ、と思うと気持ちが段々沈んでいくのが分かった。


そして部長はそんな私の気持ちを知らずに、淡々と口を開く。


「この前、君が部室で一人落ち込んでる時に、独り言を言っている所を聞いてしまってね。」


ハハハ、と笑う部長の横で、私はまた別の意味で落ち込んでしまった。



独り言を聞かれたのかー…!恥ずかしすぎるッ!

本当、部長は何でも知っておられる…。


私はさっきまでチヤホヤされていた時に戻りたいと

心の底から思った。




「だ、大丈夫です!先輩!」


やっと息を吹き返した皐月が私に言った。