その場にいたくなかった。
何で泣いてるのか自分でも分からないのに、
その泣き顔は嘉賀くんには見られたくなかった…。
「沙矢…っ!?どうしたんだよ?」
゛待て゛をさせられていた実春は、突然走り出した私に疑問を投げかける。
…けど、私の足は止まらなかった。
後ろから実春の声がまだ聞こえていたけど、私はそれを無視した。
廊下を走り切り、一気に階段を駆け降りる。
息が上がってくる。
何で、私はこんな必死になって走ってるんだろう。
何で、涙が流れたんだろう。
清水さんは嘉賀くんをずっと好きだった。
だからキスをした。
好きな人に触りたい、キスしたいと思うのは普通なこと。
でも私はそれを見て、明らかに嫌な気持ちになってる。


