君のそばに




* * *



慌ただしく動き回る生徒たち。




明日は待ちに待った文化祭。


その準備に追われた生徒が、働き蜂みたいにあっちに行ったりこっちに行ったりしている。



もちろん、私のクラスも大忙し。


喫茶店をやるために最後の仕上げにクラスが一丸となって装飾に励む。



教室の装飾はシンプルに、まるで今まで自分が勉強していた空間ではないものに変わっていた。



カーテンはレースのものへと変え、床も黒と白のタイルを敷き詰めている。



部屋の隅には観葉植物が置かれ、黒板にはメニューが書き出されている。



お客がつくためのテーブルは生徒が使っている机ではなく、
丸いガラスで出来たものに変え、7つのテーブルが一定の距離をとってバランスよく配置されている。


基本は2人掛けである。

けれど、3人でも大丈夫なように椅子をお客の死角となる隅に寄せてある。





そして私の役割はまさかのウェイトレス。


私としてはケーキを綺麗にお皿に乗せ、最後にクリームをフワッと盛りつける係がやりたかったんだ。