君のそばに


あれから柚を待っていたが帰っては来なかった。


どこまで追って行ったのだろう。


時計を見ると5時5分を過ぎていた。


あ、そろそろ部活に行かなくちゃ。

私は仕方なく自分と柚の鞄を持ち部室へ向かった。



部室は3階にある。

生徒会室の前を通り、さらに突き当たりまで行くと
私が所属する美術部の活動場所、第二美術室がある。


第二美術室にある、無意味に大きい窓からは、柚が所属する弓道場が見える。


私は部室に入り荷物を自分の机に押し付けると、弓道場を見る為に窓際へ行った。



今日は雨だからか、弓道部員は室内でトレーニングをしていた。そしてその中に柚の姿を見つけた。



「なーんだ、やっぱり部活に行ったんだ!」


私は柚がこういう性格である事を知っていたが、改めて柚の姿を確認すると少し安心した。