君のそばに




「ほ、本気で叩いてねーだろ…!?本当は痛くも痒くもないクセに!」


顔を真っ青にしながらも必死に反抗する実春。


でもね、実春くん…。

強きで言ってるけど
お顔の色が段々と変わっていくよ。


実春の必死の抵抗も虚しく、

柚はゆっくりと教科書の重みを確かめながら実春を見据えて歩く。


「お、おい…!…ちょっと、落ち着けって…

さっきのは軽いジョークだよ…!ハハハ…!ウケるだろ…」


笑い声をあげる実春。

しかしその顔に笑みは感じられず、明らかに怯えた様子で柚を見ている…。


何て弱い男だ…。


実春は柚の顔色を確認しながら、ゆっくり後ずさりをする。
柚の魔の手から逃れるように…。


しかし、それも出来ず…


「問答無用。」


柚の目が光り、教科書が高く掲げられた。



「ギャ〜ッ!!沙矢助けて〜!!」

それを見た瞬間、実春は全速力で逃げ出した。何故か私の名を呼んで…。





結局は私に助けを求めるんかいッ!!