君のそばに


「伍棟、沙矢さん?」



「…あ…はい…。
…そうですけど…」


その人は真っ黒い髪とそれと対称的に薄い茶色の目をしている。

私は自分でも気付かないくらいに、その人を見つめてしまっていた。


誰かに似てるな…


…!


あ、実春にそっくりなんだ!




でも、


少し雰囲気が違うような…?



髪の色は違うけど…


背は同じくらい…かな。


声も似てる……っていうか同じだし。





そんな私を見て、柚がクスクスと笑った。


「おーい、現実に戻っておいでー。」


肩がポンと叩かれ、私は現実に引き戻された。

ハッとして叩かれた方向を見る。



「驚いてますな〜!
沙矢、この人は実春の双子の兄の千春くん。


謎は解けたかな〜?」



放心している私を楽しそうに小突く柚。