あたしは緊張して、ゴーカートのハンドルを握っていた。
この車って、小さくない?
いや、隣の野獣がでかいのか……
肩も触れあんばかりに隣り合った、この状況に心臓が跳ねる。
兎に角、
前に進まなきゃ……
あたしは運転に集中していた。
とその時、あたしの目の前に覆いかぶさる真っ赤な物体。
「ほら、順、こんな風に、ジグザグやらなきゃ、面白くねぇだろ?」
その声の主は、野獣月人。
助手席から身を乗り出して、あたしのハンドルを奪った。
微かに触れ合う、指先。
間近に迫った、大きな背中。
揺さぶられる車体。
その度に触れる、月人君の身体。
嗚呼、もう駄目、呼吸が苦しい……
この車って、小さくない?
いや、隣の野獣がでかいのか……
肩も触れあんばかりに隣り合った、この状況に心臓が跳ねる。
兎に角、
前に進まなきゃ……
あたしは運転に集中していた。
とその時、あたしの目の前に覆いかぶさる真っ赤な物体。
「ほら、順、こんな風に、ジグザグやらなきゃ、面白くねぇだろ?」
その声の主は、野獣月人。
助手席から身を乗り出して、あたしのハンドルを奪った。
微かに触れ合う、指先。
間近に迫った、大きな背中。
揺さぶられる車体。
その度に触れる、月人君の身体。
嗚呼、もう駄目、呼吸が苦しい……