「あ、あの……ちょっと待って」

立ち止まるあたしを、なに?と覗き込む月人君。

「あ、その荷物、弁当だろ?

俺持つよ」

繋いだ手と反対の手が差し出された。

「い、いや、あの、その、今日は……

宜しくお願いしますっ!」

弁当の入ったバスケットを月人君に差し出すと、

思いっきり眩しい笑顔が返ってきた。

「こちらこそ、宜しく。嗚呼、今日は天気もいいし、楽しもうぜ」

桃花ちゃん、ごめんなさい。

綿密な計画がどこまで正確に実行に移せるか、あたしは甚だ自信がありません。

だって、

もう既に、

頭の中、

真っ白です。