「甲斐先生ってほんと子供好きなんですね。
外でも変わんないんだな……
ほんと子供よか楽しげで……」


「お医者さんの甲斐を知ってるの?」



「はい
友人の子供が先生の治療受けてんので…
患者からも親からも大人気です。」



「そっか~
甲斐の人生の選択は間違ってなかったか~」



「あ…私は 松尾 音羽
甲斐の兄嫁だったの。」



「だった?」


「先立たれちゃって
ただ今悲しい未亡人なの。」


音羽さんは空を見あげた。



「あ…そうだったんですか。
大変だったんですね……」

なんて言ったらいいのか
言葉につまった。



「あ…ごめん~
少年にこんなこと言っちゃって~」


音羽さんは笑った。


サバサバしていて
とても活発そうな人だと思った。