「楓も良い体だよな。どぅ?」



ドキドキが止まらない。



「意識しまくりじゃん♪可愛い」


バカにされた気分になり、手を振りかざしたら難なく交わされ受け止められた。


「商売道具叩くなよ」



「お前なんて大嫌いだ」


「嫌いで構わないから名前呼んでよ」


寂しそうな顔をした。



「……っ…」


この顔に騙された女の子が沢山居るに違いない。



「嫌だ。他の女の子達と一緒にされたくない」



何だこの言い訳。
まるで…。



「ヤキモチ?」



違う…わない…私変だ。
頭がぐるぐるする。


「歌恋?」


ダメ…。


座り込んだ私を揺らすコイツは真剣な顔をしていた。