「ありがとうございました」
深々と頭を下げる真夏
「いぃえ、光羅さんに宜しくお伝えください」
「…借り」
ボソッと言ったから聞き取れてなかったから聞き返した
「はい?」
「助けてくれた借りが出来た」
「……借りねぇ…クスクスッ」
「何よ!?」
「わかってないですね。折角なんで真夏さん連絡先聞いていいですか?」
ダメ元だったのに
「んっ」
ケータイを出した真夏に正直ビックリした。
「早くしてよ!!光羅君仕事に関して超鬼だから遅刻したくないの!!」
「あっ、はいっ♪」
ニヤケ顔の零に真夏は
「私なんかの何がいいの?」
「その質問は皆に対して失礼だよ」
怒ったような眼差し
「皆?」
「君を愛しいと思ってる家族や友人に対して、ソレに俺にも。人を好きになるのに大層な理由が居るのか?それが無いと恋愛が出来ないのか?」
「だって……したことないし……私はしちゃいけないにん…から」
車を降りた
「人は1人では生きていけないよ」

