「いいじゃん。ねっ♪行こう?」
腕を持たれ進んでいく。
「行かないって言ってんじゃん!?なんなの」
振りほどけない
「あんまり騒ぐと「“騒ぐと”何だ?」
男の後ろに上月零が居た。
「ひっ!!…」
「何なのここの社員?女性を蔑ろにするのが趣味な訳?」
苦笑いをした上月に逃げ腰のナンパ男
「経理事務課の渡部さんですよね?」
「違います違います違います」
逃げた。
「ヤッパリ送ります。会社の目の前でナンパとかあり得ない」
「タクシーで帰るし仕事場に行くからいいです」
「でわ、どうぞタクシーだと思って乗ってください」
と、ハザードを焚いた車が路駐してあった。
「随分可愛らしい「妹のです。俺の今、旅に出ていまして…今日は休みだから借りて来ました。何か格好つかないですね、もっとアメシャや外車のが若い子にはもてるんですよね?」
「嫌いだよ、アメシャ」
スタスタスタっと歩き車に乗った。
真夏に分からないように笑った零

