「久しぶりだな真夏」
ばぁちゃんと違って年相応のじぃちゃん
「うん、久し振り。今年のばぁちゃんの誕生日プレゼントは相変わらず凄かったね」
「いいだろぅ♪ミトン」
穴だらけ…光羅くんが時間を割いて教えた筈なのに。
「まぁ、羅葡は生粋のお嬢様だからな、アレでも苦労してんだよ」
苦笑いのじぃちゃん
「苦労…」
似合わない言葉だね。
美人で成績優秀、同族にも尊敬されて今では日本屈指の大企業のTOPに“苦労”なんてあるんだ?
その血を受けついてる私等…私は全くのダメ人間なのに。
「昔は同族には厄介者としか扱われてたんですよ羅葡様」
嘘だ!!
「本当らしいぞ、異世界に行くの嫌がってたらしい…長(オサ)、ひぃじぃちゃん、父親、母親との死別にかなり精神的に苦労してる。時が進まない自分の外見にも……ソレに、光羅が羅葡に気を使って生きてるしな…」
光羅くんが?
「我ながら出来た子でね♪相手の気持ちが読めるんだよ…」
じぃちゃんの表情が曇った。

