「嫌です!!私は「崇の人生を駄目にしたくないだろ?芸能人楽しくやってるそうだな。あの事が流出したらスキャンダルだな」



そんな…。



「お前が黙ってて相手も黙っていたら丸く収まって崇の人生パラダイスだ♪お前が誰を好きだろうが関係ない。公の場では私の妻でいたらけっこう。見合いもあきあきでね」



一瞬だった。



たっ君の顔と重なった。




「私はそんなにアイツに似ているか?顔が紅い」



頬を優しく触られた。



“ドキッ”



たっ君に似てるから?



「お前に拒否権はない。ココに捺印をしておけ」




『婚姻届』



これが現実だと実感する。



夢に見た婚姻届の夫になる欄にはたっ君の名前が書いてあったのに……。








一筋の涙と共に兎部辰之助の隣に自分の名前を書いた。




“恨むなら自分の運転の仕方を恨め”







それから数ヶ月がたったある日、目の前にはたっ君の姿があった。



私は辰之助の妻として






納得がいかない顔をしてる。





ゴメンね…