それくらいは分かってるから、と続けられて…
言葉が浮かばなくて。
ただポカンとしてしまった。
でも、すぐに我に返ると、目を逸らした。

人の目を見るのは苦手。
まるで心の中を覗かれているような、
見張られているような気がするから。
だから、
今、視線は壁の染み。


「怖いね。」


「何が?」


「付き合いが長いのも。」


「そう?」


頷いて、
そして、また今の言葉を後悔する。
わかってほしいと、理解してほしいは違う。
本当は何だかわからない。
今、何を求めているのか。
言葉が欲しいのか、優しさが欲しいのか…
話を聞いてほしいのか。
きっと、全部違う。
どこかに閉じ込めてほしい。
この、不穏を。
嫌いな自分を。
どこかに、閉じ込めて。
それは他人よがりじゃなくて。
もっと根本。
自分自身の問題。


「時々、自分がどっかにいっちゃうみたいでさ。」


ホント、ホントに嫌になる。


「自己完結ばかりはやめてね。」


きっと、それは優しい言葉。


「…消えたくなるね。」


自分の中にある黒い闇は、少し長いみたいだ。