◇琴音side◇ ―――――――――――――… 用意された席は、ホテルのレストラン。 あたしはそこに案内されるまでに 見つけた、テーブル。 体が強張るのを直に感じる。 父様の横顔、 それに、 見知った彼の背中。 そして隣に、背筋の伸びたスーツの女の人。 拒みたい足は、父様があたしの存在に気づいた目線で、仕方なく前に進む。 鼓動に締め付けられて、うまく笑顔を作る事さえ、出来ない。