◇花梨side◇ ―――――どんなに、目を逸らしても、 ―――――どんなに、思考を途切れさせても、 身体は正直だ。 あたしは、疼く事無く、義務的に行為を終える。 後悔と、言いようのない寂しさが体全体を支配してしまったかのように重い。 「…花梨ちゃん?」 穏やかな低い声は、勿論、部長じゃなくて、 眼鏡を外してあたしを見つめた顔が、意外に童顔なんだな、と思っただけ。