恭平さんが、軽く手を振って背中を向けた。ありがとう、と伝えたかったのに、何度言っても足りない、優しい彼が押してくれた背中、 私はゆっくり一歩踏み出す。 もどかしい、 身体が ドレスが絡んで上手く走れない、 視界が霞んで、愁哉さんが見つめられない、 まだ、理解出来てない、なんて私はどうしょうもない だけど、瞬間、 長い腕が私の体を引き寄せて、キツくキツく抱き締めた。 駆け巡る熱が、あつい、 ねえ、もう、このまま、壊れてしまいたい。 だって、おかしいんですもの、 思考が上手く回らないわ。