嘘つき⑤【-sign-】


霞んだ視界に映ったのは、真っ直ぐ、私だけを見ている愁哉さん。



胸が焼け付くように痛む、




何度、



この瞳に映りたいと願ったかしら。



その冷たい筈の瞳は、今、体全部縛られてしまいそうな程、熱くて、




「愁、哉さん」




名前を呼んだ声が、震えた。