意識が、感情の及ばない所で遠い。 何を 何を言っているの? あなたがその想いを伝えるのは彼女でしょう? 「君が好きだ」 振り返られない。 視界が霞む、 恭平さんが、まばたきもせず、そんな私を見つめて、 「…本当、ずるい奴」 恭平さんが少し呆れたようにように呟いた。 そして立ち尽くしたままの私に、絡めていた腕を、ゆっくり解いて、その指先が私の目元を拭う。