嘘つき⑤【-sign-】


「…言わせない」



恭平さんの力強い声がその腕と一緒に一層の力を込めた。


本当に、



恭平さんを愛したら私はどれだけ救われるのかしら。




だけど、





「私が想う方は…今も昔も変わりありませんわ」




救われたい訳、じゃないの。



愛されたい、訳でもない。




「…愁哉さんを愛していたいんです」



それが、ただの真実。