恭平さんの腕がゆっくりと私に近付いて、薄いドレスの生地を挟んで私の肌に触れる。その温度が泣きそうな位優しくて、 「琴音ちゃんの全部俺にくれない?」 身を預けてしまいたくなるくらい、切実で、甘い。 「恭、平…さん」 見つめ合う瞳に、映るのは確かに私で、真っ直ぐ私だけを射抜く視線に泣きたくなった。 こんなにも、私だけを求めてくれる、優しく優しく注がれるような愛を知らない。