――――――――――――――…琴音さん達が去った後、部長もゆっくりとこの場を離れる。
状況がよく呑み込めない結城さんは、「なんだかよく分からないけど、部長さんと話した方がいいんじゃないかな」とやっぱりお人好しな笑顔を向ける。本当に、この人はどうして、こんなに安心出来る笑い方をするのかな。
「…ありがとう」
あたしはそう言ってからすでに背を向けた部長の背中を追いかける。
歯痒くて、何も知らず笑っていた自分に嫌気が刺す。確かめる必要があるのかないのかなんて分からない。だけど、真実を知りたいと胸が悲鳴をあげる。
震えそうな唇をグと噛んだ。

