まるで、格が違う、そう思った。
天童さんは見た事もない位顔を引きつらせながら、少し青ざめた表情をもう隠そうとしない。
「それに、」
「あなた程度が愁哉さんに相手にされるとでも思って?」
いつもの琴音さんからは想像がつかない程、まるで高飛車に聞こえるその言葉も清楚に当たり前のように綴ってしまう。
その言葉を最後に、もう反論を許さない空気の中、天童さんは唇を噛み締めて、逃げる様に背中を向けた。
完全に、彼女の負け。
琴音さんの言葉がどう、というよりもその堂々とした威圧的な態度に刃向かえる筈なんて絶対無い。

