あたしが言葉を失って立ち尽くした時、部長が何か言葉にする前に、口を開いたのは、 「天童さん、少しよろしいかしら」 鈴のなるような声。 にこりと笑う綺麗な笑みはやっぱり見とれてしまう位華があって一瞬で惹きつけてしまう。 「見苦しいわ」 冷えきった言葉なのに、どうして琴音さんが言うと軽やかで、まるでそれが当たり前のように聞こえるんだろう。 「…『お嬢様』?あなただって惨めでしょ?」 だけど天童さんは全く怯まず、蔑む様に彼女を見つめる。あたしを横目で眺めた後で。