この人だって思える出会いなんてそうそう落ちてない。 傷を癒やす為に、違う誰かに抱かれるなんて馬鹿げてるって思う冷静さはあるのに、 「この後、一緒に飲み直しませんか?」 少し赤い顔、その言葉の裏には邪なものがないような気さえする遠慮がちな瞳。 ある程度お酒が入ってしまえば、銀行員さんの声に、 「別に、いいですよ」 ニコリと頷く自分が理解できない。 だけど、体に巡るアルコールの熱は心地よくて、真実誰かのぬくもりに触れたかった。 触れたい人はもう傍にいないから。