海宝堂2〜魔女の館〜

ガルは焦っていた。それこそもうがむしゃらに路地と言う路地に入り、角と言う角を曲がって、2人を探した。必死で後をついてくるニーナを気遣うことも忘れて、とにかく2人…いや、シーファが心配でならなかった。

その実力を信じていないわけではない。さっきの動きだって流石だった。
でも、もし国のことを引きあいに出されたら?
恐ろしいほどに抵抗できなくなる姿を見てしまっているから、嫌な予感がどうしても頭から離れてくれなかった。

無事でいてくれ!頼むから!俺の居ない所で怪我なんかしないでくれ!

リュートに託したのは自分なのに、少し遅れてでも自分が連れて逃げれば良かったと、思っている自分もいる。

リュートやニーナの方が付き合いは長いのに、酷い話しだと思う。でも、彼女が目の前にいないとどうしょうもなく不安になる。この気持ちがなんなのか?いっそ、気づかないままでいたほうが楽だったかもしれない。

「―――っ!あっぶねぇっ!」

切迫した聞きなれた声に、弾かれたように顔を上げた。
どうやら、思考に囚われて周りが見えなくなっていたようだ。