海宝堂2〜魔女の館〜

…つまり、ローラがカツラを引っ張って、脱げてしまったということだ。

目の前のラックは当然、カツラを手にしたままのローラも、シーファ達も言葉を無くした。
そこだけ時間が止まったみたいに。

その止まった時を動かしたのは、最悪にもそこに居て欲しくない奴等だった。

「あーー!!お前っ!変装なんかしてやがったのかっ!」

なんてタイミングの悪い…。
3人組の男達がシーファの目の前でわなわなと震えていた。
聞きたくなかった声に、ガルが一番に反応し、しゃがんだシーファの腕を掴んで立たせる。

「逃げるぞ!!」

その言葉と同時にリュートとニーナが走りだす。

「おねえちゃん、これ…」

ローラが差し出そうとするカツラは、ガルに引っ張られて走り出していたシーファの手には届かない。

何も言えず、そのまま前を見て走ろうとするが、横目に双子の片割れの手がローラに伸びるのを見てしまった。

「…っ!!」