「でも、これ目立たない?」
シーファが身をよじって自分の服装を確認する。
確かに、前の服装と比べるとかなり色遣いも派手で、遠くからでも判別が可能だ。
「ここまでやれば、別人でしょ?」
「そーそー、カツラもかぶってるしな。
それも懐かしいよな~。」
シーファの頭には肩までの長さの金髪のカツラが乗っていた。背中まである美しい黒髪は上手にカツラの中だ。その上、パーカーのフードまでしっかりかぶっている。
テラカイズ島で出逢った時、身分を隠したいシーファは今と同じ様に金髪のカツラをかぶっていた。
「アレがカツラだって分かった時はびっくりしたよな~。」
「おい、しゃべってる暇はないぞ。見つからないうちに聞きこみを済ませるぞ。」
気が緩んだのか、またも思い出話をしようとするリュートを、ガルが低めの声で制する。
が、そういうガルもシーファの姿に、あの時の事を思いだしていた。
初めてだった。自分の料理好きを変だと笑わなかった人は。
そして、出逢ったばかりの人の言葉に、心が楽になったのもまた同じだった。
あの時は想像もしていなかった、こんな風に一緒に旅をすることになるとは。
ガルはそんな事を思って、ふっと短い笑いを漏らした。
シーファが身をよじって自分の服装を確認する。
確かに、前の服装と比べるとかなり色遣いも派手で、遠くからでも判別が可能だ。
「ここまでやれば、別人でしょ?」
「そーそー、カツラもかぶってるしな。
それも懐かしいよな~。」
シーファの頭には肩までの長さの金髪のカツラが乗っていた。背中まである美しい黒髪は上手にカツラの中だ。その上、パーカーのフードまでしっかりかぶっている。
テラカイズ島で出逢った時、身分を隠したいシーファは今と同じ様に金髪のカツラをかぶっていた。
「アレがカツラだって分かった時はびっくりしたよな~。」
「おい、しゃべってる暇はないぞ。見つからないうちに聞きこみを済ませるぞ。」
気が緩んだのか、またも思い出話をしようとするリュートを、ガルが低めの声で制する。
が、そういうガルもシーファの姿に、あの時の事を思いだしていた。
初めてだった。自分の料理好きを変だと笑わなかった人は。
そして、出逢ったばかりの人の言葉に、心が楽になったのもまた同じだった。
あの時は想像もしていなかった、こんな風に一緒に旅をすることになるとは。
ガルはそんな事を思って、ふっと短い笑いを漏らした。


