海宝堂2〜魔女の館〜

シーファの足が崩れ、尻持ちをつく。

しかし、どこも斬られてはいなかった。
斬られると思った瞬間、目の前が真っ暗になって、誰かが…

ゆっくりと視線を上げる。

そこには、見慣れた背中があった。

「ガル…?」

そう呟いた瞬間、ボタボタと仁王立ちした足の向こうに真っ赤な血が落ち、広がっていくのが見えた。

「…え?…」

誰もが言葉を失い、沈黙がその場を支配する。
それを最初に打ち砕いたのは、

―ぎゃあぁあああああああああっ!―

魔女の断末魔の声だった。