海宝堂２〜魔女の館〜

―何をさせない？その拳でこの男を突いて、私の所まで来るのか？
やはり、そうだ！王家の者は自分達以外はどうなろうとおかまいなしの傲慢な偽善者なのさ！―

「違うっ！ダートンは…この船の皆はもう関係無い人なんかじゃない！
私達を助けてくれた。そんな人達がどうなろうと構わないなんて思わない。」

―じゃあ、どうして拳を握っている？その男を殴るからだろう？―

「ええ。彼は止める。
短い付き合いでもわかる。彼は、ここで私が何もしないで斬られるのを絶対に許さない！
だから、ぶん殴ってでも止める！」

強いシーファの目と言葉に魔女の足がぐらつく。
シーファはそんな魔女を見据える。ひぃっと小さな悲鳴をあげた魔女はダートンの後ろに隠れ、ダートンが迫ってくる。